Alstom、Engie、再生可能な水素で機関車を駆動するために提携へ

電力会社Engieとモビリティ・ソリューション・プロバイダーのAlstomは、ディーゼル機関車を水素仕様に置き換えることにより、鉄道貨物の脱炭素化を支援するソリューションを提供することを目的とした、新たなパートナーシップを締結したことを4月8日発表しました。このソリューションの対象市場は、欧州の主要な鉄道貨物輸送国です。

この新しいパートナーシップの下、Alstomは、鉄道網の非電化区間で電気機関車に電力を供給できる高出力燃料電池システムをベースとした、水素ソリューションを設計する予定です。Alstomは、この契約が「よりスマートで環境に優しいモビリティ」のイノベーションを推進するための、研究開発投資を強化する計画を含む「Alstom in Motion 2025」戦略プランに沿ったものであり、昨年の燃料電池メーカーHelion Hydrogen Powerの買収に続くものであると述べています。

Alstomの企業戦略担当、副社長であるRaphaël Bernardelli氏は、次のように述べています。

「私たちの目標は、鉄道貨物などの大型モビリティのグリーン化を支援する革新的なソリューションを開発することで、鉄道業界における水素電力の採用を加速させることです。水素鉄道の進化を後押しするためには、ステークホルダーを集める必要があり、これこそがEngieとの提携を決めた理由です。」

Engieは、このソリューションのために再生可能な水素を供給します。今回の発表は、Engieが昨年発表したリポジショニング戦略に基づくもので、再生可能エネルギーとエネルギーソリューションへの大規模な投資計画とともに、2030年までに4GWのグリーン水素容量を開発するビジョンを掲げ、700kmにおよぶ水素専用ネットワークと1TWhの貯蔵能力、100以上の燃料補給ステーションを計画するものです。

Engieの火力発電・水素・エネルギー供給担当、上級副社長であるSébastien Arbola氏は、次のように述べています。

「私たちは、Alstomと協力して大型モビリティの脱炭素化に向けた取り組みを継続し、それぞれの専門性を活かして欧州の鉄道貨物にサービスを提供できることを喜ばしく思います。このパートナーシップは、再生可能な水素ソリューションの開発と低炭素経済の構築における新たな一歩を踏み出すものです。」

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