ユニ・チャーム ESG経営

概要

一人ひとりの“生活者”の心と体の健康をサポートする企業として、現在主にウェルネスケア、ペットケア、フェミニンケア、ベビーケア、Kireiケアの5つの事業を行うユニ・チャーム。同社は、不織布・吸収体の加工・成形分野で培ってきた技術を生かしながら、より高品質な賞金開発と積極的なマーケティング活動を行なっている。サステナビリティにおける取り組みでは、ユニ・チャーム中長期ESG目標『​​Kyo-sei Life Vision 2030 ~ For a Diverse, Inclusive, and Sustainable World ~』を策定している。環境問題や社会課題の解決、消費者や地域社会への貢献、継続的な事業成長を目指す方針である。このESG目標において、構成で透明性の高い企業経営(ユニ・チャーム プリンシプル)をもとに、他3つのマテリアリティーを、「私たち・地球・社会の健康を守・支える」とし、2050年の「共生社会」実現に向けて必要なアプローチをとっている。理想の将来像を踏まえ、ユニ・チャームは全世界への進出、商品・サービスの進化・カスタマイズ化。そしてサーキュラーエコノミーを視野に入れて取り組みを行なっている。

環境 (Environment)

『Kyo-sei Life Vision 2030』を踏まえ、目指すべき共生社会を実現するためにユニ・チャームは、環境配慮型商品の開発、気候変動対応、リサイクルモデルの拡大、プラスチック使用量の削減などをテーマに、環境に対する取り組みを行なっている。具体的な環境目標として同社は、2050年CO2排出量ゼロ社会を目指すとし、2030年には再生可能エネルギー電力比率を100%にするとしている。そのため、気候変動対応においては、国内、国外における工場などで太陽光パネルを設置し、鉄道コンテナによる共同輸送などの仕組みを確立した。環境配慮型商品の開発では、夜用整理用ナプキン『ソフィ超熟睡極上フィット』で従来のものと比較してあつさ3分の2にスリム化を実現したことによって、製造や流通工程におけるCO2排出量を82.4%にまで削減した。生態系を守る取り組みには、WWFなどの有識者と意見交換をし、森林の現象を引き起こさないように方針やガイドラインの見直し、原産地調査を行い、結果開示などの取り組みを始めた。

『環境配慮の製品』

ユニ・チャームは、資源の有効活用と廃棄物削減のため、紙おむつに関する製品の脱プラスチック化や、リサイクル化に努めている。具体的な例は、海洋プラスチック問題に対応したバイオマスプラスチック商品『 La Verte Plante』韓国現地法人の対策)。これはユニ・チャーム初のサトウキビから抽出した灰オレンジ配合バックシートフィルムを使用した生理用ナプキンで、オーガニックコットンも使用しているため、植物由来原料の比率が高い商品である。また、日本では、全国のベビー専門店で配布する『ナチュラルムーニー(テープタイプ)新生児 試供品5枚入り』に環境を配慮したパッケージを採用。再生し素材と、植物由来バイオプラスチックを用い、紙ゴミとして廃棄できるようになった。

さらに、同社は2015年使用積み紙おむつリサイクルプロジェクトを開始し、衛生的で安全なパルプとしてリサイクルするシステムを実現した。独自のオゾン処理を施して排泄物の菌を死滅させるこの方法は、従来の方法に比べ、温室効果ガスの排出量が87%削減され、安全性も未使用のものと同様の高レベルとなった。

 

[出典:ユニ・チャーム HP サステナビリティレポート より]

社会 (Social)

ユニ・チャームは、全ての人が自分らしさを実感し日々の暮らしを楽しむとともに、安心・安全・満足の向上と、社会課題の解決や持続可能な社会の実現を目指すことを目標に、社会面における取り組みを行なっている。ジェンダーの多様性や、ワークライフバランスを確立するために、人権の尊重や、労働基準、健康と安全に関する制度の見直しを図っている。国外の拠点であるタイやオーストラリアでは、人身取引や移民に対する不法な雇用、強制労働などの人権問題について話し合いをしたり、サプライヤー全体における現代奴隷リスクの評価とその軽減措置について報告する義務を課したりしている。ワークライフバランスを保つために、同社では育休を積極的にとってもらうことや、休日の電話・メールを禁じること、年5日以上の有給休暇を奨励するなど、社員が心身ともに健康でいきいきと働ける職場づくりを推進している。そして、商品の利用客が満足して使えるように、顧客の声を取り入れた商品開発も積極的に行なっている。

『事業展開を通じた社会貢献』

顧客に安心・安全・満足をしてもらえるような商品やサービスの開発を考えるユニ・チャームでは、自社の事業展開を通じて社会における課題や顧客の負担削減に努める取り組みをしている。例えば、2015年には、小さく生まれた低出生体重児ように体型に合わせた立体成形のおむつや、体制を変えずに交換できるように脇にミシン目を入れた形にしたおむつを発売した。この取り組みは、医師や看護師などの現場の声を反映しながら毎年改善がされている。さらに、保育園児の保護者や保育士の負担を軽減する『手ぶら登園』という取り組みもある。これは、2019年から始めたキャンペーンであり、毎日保護者が登園時に持参するおむつを、保育園向けベイビー用紙おむつ定額制サービスへ変更することにより、保護者の買い物の頻度を減らせ、保育園と各家庭での紙おむつやお金のやり取りが減らせるといメリットがある。これは保育士の人材サービスなどを手がけるBABY JOB株式会社とユニ・チャームが連携して実現した取り組みである。

[出典:手ぶら登園 公式 HP より]

ガバナンス (Governance)

ユニ・チャームはステークホルダーとの適切な協働を図り、社会から評価、信頼される企業になることを通じて、成長と中長期的な企業価値の創出に努めることが「正しい企業経営の推進」につながると考えている。そのため様々なステークホルダーからの支援を得るため、率直で積極的な対話を心がけ、ESGの課題に取り組んでいくことで、透明、公正かつ迅速・果断な経営の実現を図っている。

 

[出典:ユニ・チャーム HP サステナビリティレポート コーポレート・ガバナンス より]

『マネジメント体制』

ユニ・チャームは2015年より、コーポレート・ガバナンス体制の強化を図るために監査等委員会設置会社に移行し、独立性を有する監査等委員が取締役会での決議権を持ち、内部統制システムを積極的に活用している。これにより、法令遵守のみならず、ステークホルダとの適切な協働関係の維持や健全な事業活動理論を尊重する企業文化や風土の醸成を行なっている。

 

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