セブン&アイグループ ESG経営

概要

セブン&アイグループは、コンビニエンスストア、スーパー、百貨店、専門店など、多岐にわたる流通サービス業態を抱えている。これら全てに関わる、利用客、取引先、株主、地域社会、加盟店、そして社員の様々なステークホルダーから、「信頼される、誠実な企業でありたい。」という社是に基づいて、将来も持続可能な成長の実現を目指している。2014年には、色々な立場のステークホルダーと対話を行い、取り組むべき重要課題を特定している。事業活動とそれに関係する社会課題、社会からの要請が変化していく上で、それらに対応するために、様々なステークホルダーと対話をし、2022年に重要課題の改訂を行った。そこから得た重要課題は7つあり、以下の項目に分かれている。

  1. お客様とのあらゆる接点を通じて、地域・コミュ日とともに住みやすい社会を実現する
  2. 安全・安心で健康に配慮した商品・サービスを提供する
  3. 地球環境に配慮し、脱炭素・循環経済・自然と共生する社会を実現する
  4. 様々な人が活躍できる社会を実現する
  5. グループ事業を担う人々の働きがい・働きやすさを向上する
  6. お客様との対話をと協働を通じてエシカルな社会を実現する
  7. パートナーシップを通じて持続可能な社会を実現する

セブン&アイグループはさらに、『GREEN CHALLENGE 2050』を策定して、さらなる環境負荷低減を推進し、豊かな地球環境を未来世代に繋いでいく取り組みをしている。この環境宣言において、4つのテーマを定めることで、社会と発展をともにするために環境負担を積極的に減らす努力をしている。これらのテーマは、「CO2排出」「プラスチック利用」「食品ロス」「商品調達」である。

環境 (Environment)

『GREEN CHALLENGE 2050』を環境宣言として提言したセブン&アイグループは、未来世代のためにも環境負担を減らす取り組みが行われている。重要課題3でも挙げられている気候変動対策として、CO2排出量を2013年度比で2030年までに50%、2050年までに実質ゼロを目標に掲げ、省エネ・再生可能エネルギーの利用拡大を図っている。グループの店舗ごとに、LDE照明や太陽光パネルを設置することで、年々と電力使用量を減らすことが実現されている。また、従業員の利用する車両のハイブリット化、商業施設での電気自動車用充電器の設置、「再エネ100%店舗」への実証実験などの様々な取り組みを通して脱炭素社会・循環社会を目指している。また、プラスチック容器を減らす取り組みとして、容器に使用する重量自体の減量や、紙製容器への切り替え、バイオプラスチックの利用、ライスインキの導入、「セブンの森」間伐材を利用した容器や包装の導入、などがあげられる。さらにセブン&アイグループ独自の発想として有名な「顔が見える野菜・果物」は、農場管理の上で、低農薬などの食品安全・環境保全が担保されている商品として、利用客の安心や環境の保全につながっている。

『セブンファーム』

イトーヨーカドーでは、食品リサイクル率の向上と地域農業の活性化を目的として、農業生産法人「セブンファーム富里」(千葉県富里市)を設立し、「環境循環型農業」を小売業で初めて開始した。セブンファームは、イトーヨカドー店舗で廃棄されてしまう生ゴミを堆肥化して利用し農業の肥料として利用することで、そこで栽培・収穫された農作物を、食品ロスを回収してきたイトーヨーカドーの店舗で販売するという「循環型」の農家である。2008年から始まったセブンファームは、現在全国に13拠点まで拡大している。

[出典:セブン&アイグループ HP 食品ロス・食品リサイクル対策 より]

社会 (Social)

セブン&アイグループは、ESG経営の社会面における取り組みにおいて、全てのステークホルダーに対するサービスと環境の向上に努めている。重要課題1については、高齢化、人口減少に伴う生活拠点の空洞化とデジタル社会の進展によるお買物やその他サービスの変化に応じて利用客の買い物習慣や必要とされるサービスを提供することで、利用者の身近な存在としてニーズに応えられる取り組みをしている。買い物をする時間がない、家事に時間をかけられないといった声に対応し、お届けサービス「セブンミール」や個食・少量・簡便を切り口とした調理済み商品を開発・販売している。

また、重要課題4においては、社内外の女性、若者、高齢者や外国籍の活躍支援に取り組んでいる。この一環として、「女性エンカレッジメントセミナー」を主催したり「ダイバーシティ・マネジメントセミナー」を実施したりすることで、女性の活躍や管理職の意識改革を目標に取り組みを行う。

『お買い物の支援』

セブン&アイグループは、買い物が不便な利用客の支援に取り組んでいる。支援形態は様々であり、店舗網や物流・情報システムなどを活用して、新たな「お買物支援サービス」の創出を図っている。これらの一環として、店内の商品をネット予約し、どこへでも届ける「ネットコンビニ」や、事前の電話で注文された商品を届ける「セブン楽々お届け便」、スーパーなどの店舗までの移動が難しいと感じる片方の支援とした移動販売車「イトーヨーカドーとくし丸」など様々な事業を進めている。

「出典:セブン&アイグループ HPお買物の支援 より」

ガバナンス (Governance)

セブン&アイグループは、ガバナンスの強化による、ステークホルダーの信頼確保に向けて、誠実な経営体制を構築・維持し、財務・非財務(ESG)両面での中長期的なグループ企業価値を継続的に高めることを目指している。また、同グループは「変化への対応と基本の徹底」をスローガンとして、日々改善を図りながら、コーポレートガバナンスの「仕組み」も、グループ経営ステージの進展に連動して発展・整備をしている。

[出典:セブン&アイグループ HP コーポレートガバナンス より]

『コーポレートガバナンス体制』

セブン&アイグループは、監査役設置会社制度を選択している。独立性を保持し、法律や財務会計等の専門知識等を有する複数の社外監査役を含む監査役(監査役会)が、会計監査人・内部監査部門との積極的な連携を通じて行う「監査」と、独立性を保持し、高度な経営に関する経験・見識等を有する複数の社外取締役を含む取締役会による「経営戦略の立案」「業務執行の監督」とが協働し、コーポレートガバナンスの有効性を確保している。

同グループは監査役制度の以下のような特徴が、当社グループガバナンスの適正化のために有効であると考えている。

– 監査役は、各自が独立して監査権限を有しており(独任制)、各監査役の多角的な視点による監査ができること

– 監査役の独立性は、明確に法定されており、独立した客観的な監査ができること

– 監査役には子会社調査権が法定されており、グループ監査の観点からも有効であること

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