世界の主要銀行が航空業界の脱炭素化に向けた気候変動金融イニシアチブを開始

Bank of America、BNP Paribas、Citi, Crédit Agricole CIB、Societe Generale、Standard Charteredの大手グローバル金融機関6社は2022年4月7日、RMIの気候変動対応金融センターと新たにパートナーシップを結び、航空業界の気候変動対応金融ワーキンググループを新設して脱炭素化に貢献することを発表しました。

航空業界は、温室効果ガス（GHG）排出の大きな原因として、世界の排出量の2～3％を占めており、この数字は、対策を講じなければ、今後数十年間で劇的に上昇する可能性があると指摘されています。航空機の効率向上、持続可能な航空燃料の開発、低炭素またはゼロ・カーボン推進システムを採用した航空機の開発などの取り組みが進行中であり、航空機産業が気候に与える影響に対処するには、今後数年間にわたって多額の投資を行う必要があります。

Citiの航空部門グローバル共同責任者であるMunawar Z. Noorani氏は、次のように述べています。

「世界経済が直面する数多くの課題にもかかわらず、我々は気候リスクへの対応、特に航空などの緩和が困難なセクターにおいて、強い前向きな勢いを維持しなければなりません。」

新しいワーキンググループは、航空部門の脱炭素化に向けた行動の共通目標を定義するための気候変動対応型金融（CAF）フレームワークを作成することを目的としています。このフレームワークは、今年末の立ち上げを目標に、報告における一貫性と透明性を高め、気候目標に対する進捗を測定するための公平な競争の場を確立することを目的としており、金融機関が自社の航空ローン債権の排出量を評価し、顧客と協力して排出量を報告し、低炭素ソリューションや新技術への投資に資金を提供できるようにするものです。

Crédit Agricole CIBのアセット・ファイナンス・グループのグローバルヘッドであるJosé Abramovici氏は、次のようにコメントしています。

「私たちは、RMIや他の大手航空銀行とともに、航空業界の気候変動対応金融ワーキンググループの創設メンバーになることを大変うれしく思っています。私たちの意図は、銀行、投資家、航空会社、貸主を含む航空金融のすべてのステークホルダーの利益のために、強固で効果的な枠組みを提案することです。我々は、脱炭素化が航空業界の長期的な未来を確保するための鍵であると確信しています。」

ワーキンググループは、各機関の航空に特化したシニアチームメンバーで構成され、測定方法、排出量ベンチマーク、データパスウェイ、報告、枠組みのガバナンス構造を開発し、航空ファイナンスの気候に関するグローバルなベストプラクティス確立に貢献し、他の金融機関にフレームワークの採用を呼びかける予定です。

BNP Paribasの運輸キャピタル・マーケット部門のヘッドであるBertrand Dehouck氏は、次のように言及しています。

「航空業界は、温室効果ガスの排出削減が困難なセクターであると認識しています。私たちは、RMIや航空業界の気候変動対応金融ワーキンググループのパートナーとともに、航空金融事業の炭素集約度を測定し、気候変動に対応した目標を設定するための確固たる枠組みの確立に向けて、積極的に取り組んでいきたいと考えています。我々の目的は、我々のネット・ゼロ・バンキング提携の枠組みを促進し、顧客の移行を支援することです。」

RMIは2020年7月、金融機関、企業、専門家が気候変動との整合に向けた現実的な障害を克服できるようにすることを目指し、気候変動対応金融センターを設立しました。同センターは、業界を超えて、排出量の多い業界のセクター別の気候変動対応イニシアチブを形成し、グローバルなソリューション、実践、フレームワークの開発に貢献し、金融意思決定と実体経済の脱炭素化を整合させることを目的としています。この新しい航空業界の取り組みは、鉄鋼セクターの脱炭素化を支援することを目的としたワーキンググループの立ち上げや、海運セクターのポセイドン原則の策定におけるRMIの取り組みに続くものです。

気候変動対応金融センターのディレクターであるJames Mitchell氏は、次のように述べています。

「海運、鉄鋼、そして今回の航空分野での我々の活動は、気候変動に関する公約を達成し、緩和が困難なセクターを脱炭素化するためには、協力が重要であることを示しています。我々は、航空セクターの脱炭素化を加速させるためのグローバルなプラットフォーム構築に向けて、ワーキンググループの銀行がこの重要な一歩を踏み出したことを称賛します。困難な作業はこれから始まるでしょう。」