JPMorgan CEO、クリーンエネルギー技術への大規模投資と同時にガス生産量の増加を呼びかけ

JPMorgan Chaseの会長兼CEOであるJamie Dimon氏は、銀行の年次報告書の発表に伴い、月曜日に株主への年次書簡を発表しました。この書簡は、政治的な二極化からウクライナ戦争に起因する世界秩序の再構築に至るまで、世界的および国家的課題をJP Morganがどう先導し克服していくかに焦点が当てられています。

ウクライナ戦争の影響は、経済成長に対する短期的な冷え込みから、地政学や世界貿易の長期的な再構築まで、Dimon氏の書簡の主要なテーマとなっています。この書簡で強調された重要な分野のひとつが、戦争が世界のエネルギーに与える影響です。同氏は、世界のエネルギーシステムの崩壊は、安全で信頼できる安価なエネルギー資源を構築する必要性を示していると指摘し、これらのニーズは、2050年までに世界がネットゼロ排出の目標を達成する軌道に乗るための、長期的なクリーンエネルギーの開発を推進することと一致している、と述べています。また同氏は、国内でのエネルギー生産、特にガスの増産を求めると同時に、クリーンエネルギー源の開発への大規模な投資を呼び掛けています。

同氏はさらに、エネルギー安全保障のために北米と欧州の同盟国を結集した「マーシャル・プラン」の策定を求め、「この計画を成功させるためには、今後数年間に直ちに適切なエネルギー供給を確保する必要があり、それは二酸化炭素排出量を削減しながらでも可能だ」と指摘、そのための一連のステップを説明しています。

エネルギー安全保障のニーズが高まる中、同氏は「燃料の生産と移動に必要な資本の流れを制約することは良い案ではない。」「世界は今日も石油と天然ガスを必要としているが、カーボンフットプリントに関しては、すべての炭化水素が同じというわけではない。」と述べ、より炭素集約度の低い燃料源や、炭素の回収・隔離などの技術革新に、より多くの資本を振り向けるよう訴えました。

また、クリーンな水素などの代替燃料の開発を含め、グローバルなネットゼロ目標を達成するためには、「クリーンテクノロジーへの投資を大幅に拡大する必要がある」と指摘します。

書簡の中で強調されているその他の措置としては、炭素税やクリーンエネルギー・プロジェクトに対する手続きの煩わしさの削減など、低炭素ソリューションへの資本投入を促進する政府の政策についても触れられています。

また同氏は書簡の中で、メタンガスの排出削減や天然ガスのフレアリング除去など、即時の排出削減を可能にするために、レガシーエネルギー分野の中には、短期的には、削減するよりむしろより多くの資金を必要とするものがあるかもしれないとも述べています。

Dimon氏は以下のように述べています。

「世界のエネルギーと気候に関する目標を達成するための特効薬はありません。しかし、排出量削減の優先順位を決め、意味のある短期・長期目標を立て、革新的な政策を練ることから始めることはできる。手遅れになる前にネットゼロに向けての排出量削減は可能です。」

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