Rio TintoとSalzgitterは、カーボンフリーの製鉄に向けて、新たなパートナーシップを締結したことを発表しました。両社は、Rio Tintoの鉄鉱石ペレット、鉄鉱石塊、鉄鉱石微粉末を、Salzgitterがドイツで推進するSALCOSプロジェクトで使用するための最適化を検討することに合意し、新たに覚書を締結しました。
鉄鋼は、世界でも有数のCO2排出量の多い産業であり、その温室効果ガス排出量は、化石燃料の使用による直接排出量の7〜9%を占めています。世界のメーカーがサプライチェーンの脱炭素化を目指す中、化石燃料を使わないエネルギーで生産される鉄鋼の需要は大きく伸びると予想されています。
Salzgitter Flachstahlの理事会会長であるUlrich Grethe氏は、次のように述べています。
「この提携により、両社の知識を結集し、低炭素鉄鋼生産をさらに進展させたいと考えます。」
SalzgitterのドイツにおけるSALCOSプロジェクトは、高炉で通常使用される石炭の代わりに、水素の助けを借りて鉄鉱石を加熱する水素直接還元法を用いて、実質的にカーボンフリーの鉄鋼生産を目指すものです。Salzgitterは、早ければ2026年に最初の直接還元プラントを稼働させることを目指しており、炭素を使用する高炉ルートを徐々に直接還元プラントで置き換えていく見込みです。
Rio Tintoのチーフ・コマーシャル・オフィサーであるAlf Barrios氏は、次のように述べています。
「鉄鋼バリューチェーン全体で排出量を削減するという我々のコミットメントに沿って、グリーン製鉄を加速させるという目標に向かい、ザルツギッターと協働できる機会を歓迎します。Salzgitterは、世界で最も先進的なグリーン製鉄技術を持っています。Rio Tintoは、当社の製品を供給し、当社の技術的専門知識とSalzgitterのそれとを組み合わせることで、SALCOSプロジェクトの推進に貢献することを期待しています。」