Novoloopが2,100万ドルを調達し、プラスチックの「アップサイクル」技術を拡大へ
先進的なプラスチックリサイクル企業であるNovoloopは、今年初めに発表したシリーズA資金調達の1,100万ドル(https://www.esgtoday.com/recycling-tech-startup-novoloop-raises-11-million-to-upcycle-low-value-plastic-to-high-performance-materials/)から拡大し、2,100万ドルを調達したことを発表しました。この資金調達は、リサイクルされないことが多いプラスチックを高性能の化学物質や材料に変える、同社の「アップサイクル」プロセス技術の商業化を拡大するために使用される予定です。
Novoloopは、共同創業者のJeanny YaoとMiranda Wangによって2015年に立ち上げられました。 同社は、ポリエチレンを分解して新しい製品に合成可能な化学成分に変えるプロセス技術「ATOD(Accelerated Thermal Oxidative Decomposition)」により、プラスチック廃棄物を化学物質や材料に変換するパイオニアです。ATODは、一般的なプラスチック廃棄物に含まれる炭素をアップサイクルすることができます。一般的なプラスチック廃棄物は価値が低すぎるため、資源回収施設では回収・販売ができず、通常は焼却や埋立となってしまいます。
この資金調達ラウンドは、インパクト重視の起業家コミュニティであるMistletoe Singaporeと、エネルギーソリューション・素材企業のHanwha Solutionsが主導しています。
Wang氏は次のように述べています。
「このラウンドには、プラスチックの循環型経済という当社のビジョンを信じる、使命感にあふれた金融投資家と業界の戦略家が集まっています。彼らの世界中の資源や市場へのアクセスを活用することで、このビジョンを実現できることを嬉しく思います。」
NovoloopのATODプロセスに基づく最初の製品は、靴、アパレル、スポーツ用品、自動車、電子機器などの高性能用途に使用できる熱可塑性ポリウレタン(TPU)「Oistre」です。今回の資金調達により、同社は試験生産の規模を拡大し、これらの分野の顧客が同製品をより容易に利用できるようにすることを目指します。
Hanwha Solutionsの広報担当者は、次のように述べています。
「Hanwhaは、先進的なプラスチックリサイクルの状況を幅広く評価しています。Novoloopの技術は確かでユニークなものです。我々は、循環型経済のために廃棄物に含まれる炭素分のアップサイクルでNovoloopと協力することを楽しみにしています。」
Novoloopは、原料回収先から出る消費者使用後のプラスチック廃棄物の品質を評価するための原料前処理装置の設置も計画していると述べています。
Mistletoeの創設者である孫泰蔵氏は、
「Novoloopが研究開発から現実の問題を解決する製品と登場するのを見て、Mistletoeは、この会社が生み出す経済的、環境的インパクトを強く信じています。経済が急成長し、廃棄物問題が深刻なアジアの国々など、本当に必要としている場所でこのインパクトを増幅させる方法をすでに検討しています。」
と述べています。