フランス、史上初のインフレ連動型グリーンボンドを発行

フランスの債務・資金管理機関であるAgence France Trésor(AFT)は、新たに40億ユーロのグリーンボンドを発行することを発表しました。この新債券、グリーンOAT(Obligations Assimilables Du Trésor)€i 0.10% 25 July 2038 は、史上初のインフレ連動型ソブリングリーンボンドで、欧州消費者物価指数(タバコ除く)との調和により債券の価値がインフレから保護される仕組みになっています。

今回の発行は、フランスがソブリン・サステイナブル・ファイナンス市場のパイオニアとしての地位を継続することを意味しています。フランスは、2017年に70億ユーロの初回発行を行い、ソブリンベンチマークグリーンボンドを発行した最初の国です。今回の発行を受け、現在までのグリーンOATの発行額は約500億ユーロに達しています。

この債券は、フランスの「グリーンOATの枠組み」に基づいて発行され、グリーンボンドの発行による資金から投資できる対象分野が詳細に規定されています。AFTは、今年のグリーンボンドによる支出は150億ユーロに達し、気候変動の緩和、気候変動への適応、生物多様性の保護、公害防止などの分野に投資されると述べています。

この債券に対する需要は非常に高く、オーダーブックは約270億ユーロと7倍近くも募集枠を上回って申し込みされました。この取引には220以上の投資家が参加し、割当額の半分以上がグリーン投資家に割り当てられました。

この案件の主幹事は、バークレイズ、BNPパリバ、クレディ・アグリコル・CIB、ナティクシス、ソシエテ・ジェネラルです。

クレディ・アグリコ・CIBのマネージング・ディレクター兼デット・キャピタル・マーケットSSAsヘッドであるPierre Blandinは、次のように述べています。

「常にイノベーションの最前線にいるAFTは、史上初のインフレ連動型グリーンボンドを発行することで、グリーンボンド市場の発展に新たなマイルストーンをもたらし、インフレ上昇から投資を保護する必要性が資産運用会社の最優先課題である現在、投資家の需要に応えています。」

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