ホームセンター大手のホーム・デポに対し、森林破壊防止への取り組みを強化するよう求める議案が、5月19日に開かれた同社の年次総会で過半数の株主から支持されました。
環境・社会的責任投資マネージャーであるGreen Centuryが提出したこの提案は、ホーム・デポに対し、「サプライチェーンにおける原生林の破壊と劣化をなくすための取り組みの規模、ペース、厳密性を高めることができるかどうか、またどのように高めることができるかを評価する報告書を発行すること」を求め、同社が原生林を破壊しない、劣化しない方針を採用しているかどうかについての評価を含め、同社の森林破壊に関する取り組みについて進捗報告や時間制限付きの行動計画の提示するよう提案しています。
会議後、Green CenturyのLeslie Samuelrich社長は次のように述べました。
「カナダの北方林から南米の熱帯雨林まで、世界の森林と、森林に依存している生物種にとって良い日です。ホーム・デポの株主の過半数が、同社に対し、サプライチェーンにおける森林破壊と原生林の皆伐をなくすための行動を加速するよう求めたことを嬉しく思います。」
この決議では、木材、木材製品、パルプ、紙が森林減少や森林劣化の主な原因であり、それが世界の温室効果ガス排出の約15%に関与していることを指摘しました。ホーム・デポは「木材の主要な購入者」ですが、同社の購入方針は原生林への影響に有意に対処しておらず、同社の開示方針はリスク・エクスポージャーの評価を困難にしており、同社は潜在的な競争、評判、財務および規制のリスクにさらされていると、決議文は述べています。
ホーム・デポは先月発表した委任状で、Green Centuryの提案を支持しないよう勧告していました。同社は森林破壊や劣化に関する懸念を共有しており、同社の方針は「可能な限り、認証済みで適切に管理された森林を起源とする木材や木材製品の購入を優先する」、「絶滅の危機にある森林地域からの木材購入は行わない」などの取り組みでこれらの懸念に対応していると指摘したのです。
Green Centuryは、ホーム・デポの競合会社であるLowe’sにも同様の決議案を提出していましたが、同社が木材調達の影響を開示し、気候、生物多様性、人権への影響をターゲットとした戦略を策定することに同意したため、その後、提案を取り下げました。
Samuelrichはこう付け加えました。
「新しいキッチンキャビネットのために生態系を破壊することは、ホーム・デポのお客様が望んでいるお買い得品とは言えません。顧客は今、絶滅の危機に瀕した森林から伐採された木材を知らず知らずのうちに購入しているかもしれない。同社はこの状況を変え、その市場力を良い方向に利用する機会があります。」
「私たちは、この提案を実行するためにホーム・デポと協働することを楽しみにしています。これらの問題には緊急の行動が必要です。世界の森林、森林に依存する生物種、そして気候は、待ったなしなのです。」