英国、来年末に史上初のネットゼロ・100%持続可能な航空燃料による大西洋横断飛行を計画

英国のGrant Shapps運輸大臣は、来年末までに、100%持続可能な航空燃料を使用した史上初のネット・ゼロ・エミッションの大西洋横断飛行を実現させる計画を発表しました。

この発表に伴い、Shapps大臣は、航空会社、燃料メーカー、航空機またはエンジンメーカー、燃料供給会社などの業界関係者がこの取り組みに参加するためのコンペを開始し、試験、研究、人件費に最大100万ポンドの資金を提供することを公表しました。

持続可能な航空燃料(SAF)は、現在世界の温室効果ガス(GHG)排出量の2~3%を占める航空業界の脱炭素化に貢献する重要なツールのひとつと考えられています。SAFは一般的に、廃油や農業残渣など、持続可能な資源から製造されます。SAFの生産者は、従来の燃料と比較して最大80%の温室効果ガス排出削減が可能であると見積もっています。ネットゼロフライトを達成するためには、SAFの使用とGHGの除去を組み合わせる必要があります。

現在通常では航空会社はフライトで最大50%のSAFの使用しか認められていません。英国政府はこの発表の中で、SAF100%使用の試験と認可を加速させることを約束しました。

規制要件に加え、SAFの利用拡大には、高い燃料生産コスト、インフラと生産規模の拡大のための大規模な投資の必要性、原料の入手性などの障害もあります。政府は、これらの課題に対処し国内のSAFセクターの発展を支援するため、SAF義務化の検討や、SAFプラントの商業化を加速し、今後3年間で1億8000万ポンドの資金を提供すること、英国に燃料試験クリアリングハウスの設立をすることなど、進行中の幾つかの取り組みについての概要を説明しました。

 

Shapps大臣は以下のように述べました。

「この世界初のネット・ゼロ・エミッション飛行は、我々の野心的なネット・ゼロ目標に沿った航空機の脱炭素化計画において、持続可能な航空燃料が果たすべき重要な役割を実証することになるでしょう。 これは地球環境にとって素晴らしいニュースであるだけでなく、有害な温室効果ガスの排出を増やすことなく大西洋横断をすることができる乗客にとっても素晴らしいニュースです。」

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