帝人 ESGの取り組み

概要

繊維や製品、ヘルスケア、マテリアルと様々な分野に事業を広げている帝人株式会社持続的な社会の実現に向けて人を中心としたQuality of Life 向上させる革新的なソリューションと共に、事業活動に伴う環境と社会への負担を減らす取り組みをしている。帝人グループは、ソリューションの焦点を、「環境価値」「安心・安全・防災」「少子高齢化・健康志向」の3つに集中させ、それぞれに対して具体的なマテリアリティを策定している。同グループが定めた5つのマテリアリティはそれぞれ、気候変動の緩和と適応、サーキュラーエコノミーの実現、人と地域社会の安心・安全の確保、人々の健康で快適な暮らしの実現、持続可能な経営基盤のさらなる強化、とし、社会が必要とする新たな価値の創造に挑んでいる。そして、同グループは、3つのソリューションにおける全社売上高の比率を2030年までに75%あげる目標である。

環境 (Environment)

帝人グループのESG経営は、環境、社会、ガバナンスとあえて分けておらず、上記3つのソリューション提供とマテリアリティの取り組みにより、持続的な社会の実現と、社会課題の解決に事業活動を通じて貢献している。マテリアリティの1つ目、2つ目にある「気候変動の緩和と適応」、「サーキュラーエコノミーの実現」については、一つ目のソリューション提供である「環境価値」に対する取り組みとしてみられる。サーキュラーエコノミーにおける取り組みには、同グループの技術を生かした製品やサービスとして高耐久、高品質素材の利用による製品の長寿命化やシェアリングの導入、社会の脱炭素かに向けた水素社会位インフラに不可欠な製品の提供、気候変動に対しては、モビリティーの軽量化、電動化を始め、クリーン技術ナノレベルのフィルタリングを利用した地球環境汚染の防止、浄化に取り組んでいる。

 

『地産地消型マテリアルリサイクル』

[出典:帝人 HP サーキュラーエコノミーの実現 より]

帝人グループは、サーキュラーエコノミーの普及に先駆け、リサイクル等の環境価値ソリューションの提供を行い、製品を高寿命化、高品質素材化にし、を通じたパートナーシップによってもバリューチェーン全体で資源循環生の貢献に役立っている。例えば、福岡県で開催された野外音楽フェスティバル「宗像フェス」においては事前に屋外の清掃イベントで回収したペットボトルをオリジナルストラップへとリサイクルし、オフィシャルグッズに活用をした。

社会 (Social)

帝人グループのESG経営における社会面の取り組みは、グループのマテリアリティ3と4にある、人と地域社会の安心・安全の確保、人々の健康で快適な暮らしの実現に向けた活動である。3つ目のマテリアリティにおいては、火災の高熱にも耐えるアラミド繊維、地震災害時の天井落下リスクを軽減する超軽量天井材、あるいは安否確認システムなど、安全性・機能性を両立した高機能素材やITを駆使したソリューションを社会に提供し、「ナノレベルの微細技術を活用したフィルター」「環境エンジニアリング」によって、環境汚染物質やマイクロプラスチックなどの流出防止と浄化など環境面でも安心・安全の確保に貢献している。4つ目のマテリアリティーに関しては、少子高齢化の社会課題、スーパー大麦「バーリーマックス®」繊維をはじめとした「マテリアル」と「ヘルスケア」で培ってきた技術力を持つ帝人グループだからこそ提案できる、科学的根拠を持つ機能性食品素材を提供している。従業員の健康・満足度向上に関しては、グループで労働災害の撲滅や、メンタルヘルスの向上、長時間労働の是正に取り組むとともに、全従業員を対象にした意識調査アンケートの中で満足度の調査も行い、結果を経営に活かしている。

『ダイバーシティ意識啓発の展開』

グローバル事業を展開している帝人グループは、人材の能力における多様性に意識するとともに、最も重要なマネジメント層の理解を深めるために、役員と部長以上に対して、ダイバーシティーインデックスの調査を行なっている、これは、数字では表せないマネジメント層の意識を客観的に測り、試作検討の要素として使われている。これらの調査から、三年連続で心理的安全性の評価項目が向上しているものの、既成概念に囚われない社風づくりの実施が必要とする社員、役員の割合が60%と高く、さらなる企業風土改革が必要であることがわかった。そして2002年からはダイバーシティ意識啓発冊子「together」を日本語、中国語、英語で発行し、D&I、組織再編、必要な変化について退団し、課題解決プロジェクトなども特集している。

[出典:帝人 HP ダイバーシティー&インクルージョン より]

ガバナンス (Governance)

帝人は、コーポレート・ガバナンスの基本方針を、透明性の向上」「公正性の確保」「意思決定の迅速化」「監視・監督の独立性の確保」とし、様々なステイクホルダーに対する責任を果たすとともに、株主価値の持続的向上を基本的使命であることも踏まえ、実効性のある体制の強化を図っている。同グループの組織形態は、監査役会設置会社であり、社外取締役を4人含む計10名の取締役会と、社外監査役3名を含む計5名の監査役会の両輪を核としたガバナンス体制が引かれている。

[出典:帝人 HP コーポレート・ガバナンス より]

『帝人グループ 腐敗防止方針』

帝人グループは、企業理念として「人間への深い理解と豊かな創造力でクォリティ・オブ・ライフの向上に努めます」と宣言し、腐敗は、人権侵害を招き、市場を歪め、クォリティ・オブ・ライフを損なうことから、あらゆる形態の腐敗を禁じ、事業活動を通じた腐敗活動防止対策や、腐敗防止関連法令を巡視するなどとしている。また、コンプライアンス態勢の整備や、リスクベースアプローチ、教育や研修、内部通報制度やモニタリングなど、あらゆる手段で腐敗活動の防止に取り組んでいる。

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