NTTグループ ESGの取り組み

概要

日本電信電話株式会社、通称NTTは、Self as We(「われわれ」としての私)を基本理念として通信事業を中心に手がけ、あらゆるパートナーとともに社会課題を目指すオープンでグローバルなイノベーティブ中期経営戦略を2021年に見直している。3つのテーマに対して、9つのチャレンジと30のアクションで挑むNTTグループは、このうち、財務指標として加えて役員報酬に反映する重要指標として、環境問題に対する指標の「カーボンニュートラル」、社会課題解決の指標として「B2B2X収益額」、ダイバーシティー&インクルージョンに対する指標として「女性の新任管理者登用率」を盛り込んでいる。持続可能な社会の実現に向けて設定した3つのテーマは、「自然との共生」「文化の共栄」「well-beingの最大化」であり、これらそれぞれについて、その目標達成に向けた具体的な取り組みが示されている。

環境 (Environment)

NTTグループは、政府が発表した「2050年までのカーボンニュートラル」に先駆け、2040年までにはカーボンニュートラルの実現を目指すとしている。これは、新たに策定された「NTT Green Innovation toward 2040」という環境エネルギービジョンの根本的な目標でもある。これは、Well-being社会の実現に向けてESGへの取り組みを強化することで得られる企業価値の向上を踏まえた活動の一環であり、事業活動による環境負荷の削減」と「限界打破のイノベーション創出」の視点から、環境の負担をゼロにすることと、経済成長の同時実現を目指している。2030年にはNTTグループの温室効果ガス排出量80%削減また、NTTドコモモバイル、データセンターのカーボンニュートラルを目指す。カーボンユートラルの実現に向け、NTTグループは再生可能エネルギーの利用拡大と、IOWN導入により温室効果ガスの削減を図ろうとしている。

『グリーン電力推進の取り組み』

[出典:NTT HP ESGマテリアリティ① 環境負担の低減 より]

NTTグループは、自ら再生可能エネルギーの電力開発に取り組むだけでなく、自社利用の促進も視野に入れ他社への電力供給を考えている。これらの実績の中には、2006年の再生可能エネルギー・蓄電池関連事業における三菱商事株式会社との協業を始め、事業における三菱商事株式会社との協業(2020年6月)地熱発電事業におけるふるさと熱電株式会社との資本提携、バイオマス発電事業におけるフォレストエナジー株式会社と資本業務提携、そして、風力発電事業の参入が2020年に行われた。将来的には、NTTアノードエナジーが目指すスマートエネルギー事業による地域単位の直流電力網を構築することで、従来の電力供給で使われる交流の電力網を、災害時などの時に安定的な供給ができるような取り組みがされている。これら、ICT技術の利用なども通じて、国内に拠点を置く建物のグリーン化を目指している。

社会 (Social)

NTTは、「民主的で多様な文化を認め合いながら発展する社会と価値創造に貢献」することを目指す中で、新たな経営スタイルを導入することで「文化の共栄」を実現させる取り組みをしている。その一環として、リモートワークを基本とするワークライフによって、多様な働き方に合わせた業務プロセスの構築、働きやすさの向上によるイノベーションの創出にも期待している。さらにサービス生産の向上を図るためにデジタルマーケティングの拡大を見込むことや、会社の拠点を地域に分散することによる地方創生事業の拡大も目指している。また、労働環境の整備や制度の見直し、DXの促進によって、情勢の役員比率向上や、障害者雇用、男性の育児休暇を積極的に伸ばしていく方針である。

『多様な人材の活用』

ESGマテリアリティの第4項として、NTTは会社のビジョン「選ばれ続ける『Your Value Partner』」となるため、社員中心とし、多様な価値観の尊重と活用によるイノベーション創造を目指している。事業規模が拡大していることから、一人ひとりの個性を尊重し、寛大な心と助け合いの精神で協力し合うことを呼びかけている。これらの中で、障がい者の雇用における具体的な取り組みの例として、「OriHime-D」活用が挙げられる。これは、遠隔操作型分身ロボットであり、接客や物を運ぶなどの操作が可能である。障がい者の雇用と活躍を促進するため、このロボットを遠隔で操作し、会議や応接室エリアに来訪した顧客の接客と、会議室への案内等の受付行う業務システムを2020年に導入した。障害を持つ人のオフィス勤務は、このロボットの初役が初めての試みである。また、グループ会社向けの心のバリアフリー研修も行われ、自社パラアスリートによる心のバリアフリーを推進したり、小中学校でパラスポーツの授業を実施したりしたことで、この活動が評価され、NTTグループとして、「令和元年度東京都『心のバリアフリー』好事例企業」に認定された。

[出典:ニュース NTTグループのコミットメント より]

ガバナンス (Governance)

[出典:NTT Sustainability Report 2021 より]

中期経営戦略となる「Your Value Partner 2025」に基づきながら、パートナーとともに社会課題の解決を目指した活動を推進するため、NTTは経営の健全性や適正な意思決定と事業遂行の実現、説明責任の明確化、コンプライアンスの徹底を基本方針とすることを決めている。基本的なコーポレートガバナンスの体制は、独立社外取締役を複数名と、過半数の独立社外監査役を含む監査役会を設置している。そして、執行役員制度の導入により、取締役会が担う決定・監査の機能と、執行役員が担う業務執行の機能を明確に分離する体制を整えている。指名委員会・報酬委員会を任意で設置し、監査役会設置会社携帯による統治機能体制をとっている。

『NTTグループCSRカンファレンス』の開催

2013年からNTTは、CSRに関する優良施策をNTTグループ内で横断的に共有している。毎年、事業会社が[CSR重点項目]に沿って実施した施策と成果を発表し、最優秀の施策は、NTTグループ社長会で「CSR Award」として社長表彰されている。2020年には、国内外のグループ各社から69件の応募、3件が最優秀賞を受けとった。これらの事例は、社外にも公開し、ビジネスパートナーにも共有している。

 

ニュースレター登録:最新のESG情報をいち早くお届け!