概要
市販用から、業務用まで、マヨネーズなどの食品事業を手がけるキユーピーグループは、創業以来から原料にこだわりを持ち、「愛は食卓にある」というコーポレートメッセージの基、おいしさとやさしさ、そしてユニークさに磨きをかけ、サラダとタマゴの魅力を発信している。同グループのサステナビリティマネジメントは企業の重要課題と社会課題解決のために、あらゆるステークホルダーと今日どうして取り組みをおこなっている。また、キユーピーグループの目指す将来像として、「おいしさ・やさしさ・ユニークさ」を持って世界の食と健康に貢献するグループを目指すことを2030ビジョンとして策定した。その実現に向けて注視した3つの取り組みが、世界における「サラダとタマゴのリーディングカンパニー」となること、社会において、「子供の笑顔のサポーターになること」、そしてお客様に対して、「一人ひとりの食のパートナー」になることである。そして、サステナビリティに向けての重要課題として以下の5つの項目を選定した。食と健康への貢献、資源の有効活用・循環、気候変動への対応、持続可能な調達、人権の尊重、となった。
環境 (Environment)
キユーピーグループは、環境課題において重要となる環境活動として、「資源の有効活用」「気候変動への対応」「生物多様性の保全」「水資源の持続的利用」「商品・サービスにおける環境配慮」と位置づけた。1つ目の項目については、キャベツ未使用分を乳牛の飼料に、卵殻を水田の肥料、卵殻膜を化粧原料に有効活用したりして、商品廃棄の削減を優先している。気候変動の対応には製造工程における省エネを基本とし、再生エネルギーの導入を図ることや、物流、冷凍機によるCo2排出量を減らす取り組みがモーダルシフトや、自然冷凍機の導入によりなされている。農産物や、生産加工において重要な水資源に対しても、高度処理システムを導入し、水リスクに関するヒアリングをグループそして、現地に対して行なっている。商品サービスにおける環境配慮に関しては、賞味期限の延長と、表示方法の変更による取り組みがある。マヨネーズの賞味期限は、多層容器や、生産過程での工夫、容器構造の変革により、酸素による影響を減らし、賞味期限を従来の10〜12ヶ月ほど延長することが可能になった。また、ある一部の商品に対する賞味期限の表示を、「年月日」から「年月」表示に変えることで、食品ロスを減らそうとしている。
『生物多様性の保全』
キユーピーグループは、2007年から2020年まで、山梨森づくりコミッションに参画し、従業員やその家族から参加者を募り、地元NPO法人と間伐、植樹活動を中心に、周辺環境が抱える諸問題について学ぶ講座も開設し、活動を通じて自然環境や生物多様性の理解を深めるきっかけを作った。さらに、2014年から2019年にかけて、国内3番目の面積を持つ霧多布湿原で、保全活動とともに、認定NPO法人霧多布湿原ナショナルトラストの活動を資金面でも支援した。
調達の場においても、パーム油における持続可能性を見極めることや、段ボール、紙器メーカーと協働で適切に管理された森林木材を使用した承認材を導入している。
社会 (Social)
ESG経営の中でも社会面において、キユーピーグループは、人と働きかたの取り組み、安心・安全への取り組みについて、重点を置いている。同グループは、「良い商品は遺材料からしか生まれない」という信念を持ち、原料の調達から研究・開発・生産・営業・物流まで、サプライチェーンを担う従業員一人ひとりが日々の仕事の質を高めている。重要な原料となる者の一つに、鶏が挙げられるが、品質・環境・人権への配慮と同じように、採卵鶏のウェルフェアを考えた、持続的な鶏卵の生産や調達における重要課題と認識している。同グループは、国際獣疫事務局(OIE)が示す、5つのウェルフェア、「自由」に関して配慮された鶏を仕入れている。さらに、アニマルウェルフェアに加えて、ケージフリー飼養の鶏卵を活用した商品開発にも取り組む。
人材においては、多様な個性や成長を応援する上で、全ての従業員がダイバーシティの担い手であり、対話やお互いの尊重の試合を目指す。同グループは、2020念じていんで、女性の管理職比率は、8.5%にとどまっていることから、2024年までには、18%へ引き上げることを目標に、女性総合職の育成施策や、「転居を伴う異動」のない総合職制度の導入による、地域食から総合社屋への可能性を広げる取り組みを行なっている。さらに、従業員の安全と健康を促進するよう、卒煙支援や、健康診断、そしてキユーピー生産本部基盤向上推進部安全チームが中心となった健康で安全な職場生活を送ることができる快適な職場環境づくりに取り組んでいる。
『深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム』
2022年の春開業予定の、深谷テラス ヤサイな仲間たちファームは、埼玉県深谷市で「野菜にときめく、好きになる!」をコンセプトとし、キユーピーグループの持つ野菜と卵に関する知見を生かして、地域社会と一緒に野菜を楽しめる体験型レストランや、地元・全国の旬の野菜・果物の食べ頃や食べ方がわかる「ショップ(マルシェ)」、旬の野菜を収穫できるツアーなどを核とした「野菜教室(クラス)」などを含む複合施設である。
ガバナンス (Governance)
キユーピーグループのコーポレートガバナンスを推進するにあたって、グループの理念や規範を尊重しつつ、ステークホルダーの利益を最大限にすることを意識した適切な企業統治体制の構築を目指している。
キユーピーグループの組織形態は、監査役(監査役会)設置会社であり、取締役の人数は社外取締役を3名含む9名、監査役は、社外監査役3名を含む5名であり、指名・報酬委員会を設置している。
『コーポレート・ガバナンス体制の整備・充実に関する基本方針』
キユーピーのコーポレートガバナンス における基本方針は、以下の5点である。
- 株主の権利を尊重し、平等性を確保する。
- お客様、従業員、お取引先、株主・投資家、地域社会等、様々なステークホルダーの立場や権利等を尊重し、適切な協働関係を構築する。
- 会社情報を適切に開示し、透明性を確保する。
- コーポレート・ガバナンス体制を構成する各組織が連携する仕組みを構築する。
- 中長期的な利益の実現を期待する株主との間で建設的な対話を行う。