アイシン ESG経営

概要

アイシングループは、モビリティやエナジーソリューションなどの事業に加えて、フードデリバリーサービスや、美容商品、リフォームなどの幅広い事業を展開しているグローバル企業である。同グループは、創業以来の「豊かな社会作りへの貢献」と「社会・自然との調和」を経営理念として掲げ、持続可能な社会の実現を進めている。事業活動を通じて社会課題への貢献、SDGs/ESG経営のグループ全員参画、ステークホルダーエンゲージメントを重点活動としながら、4つの重点課題を絞り、それらの目標に向けた取り組みが行われている。アイシングループは、1つ目に、2050年温室効果ガスの排出量ゼロに向け、クリーンエネルギーや電動化製品を開発し地球と人に優しいモビリティ社会づくりを目指している。2つ目に、クリーンエネルギー転換の促進、便利で安全な社会の促進に先駆け、脱炭素社会や福祉社会づくりを目指す。3つ目には、地球環境負担ゼロを目指した循環型社会の構築に力を入れている。最後に、人材の多様性と安心した職場環境づくりの実現にむけて、安全衛生や、人権保護、働き方改革などの取り組みを行なっている。

また、「アイシングループビジョン2030」では、社会課題に向き合い、「電動化への対応」と「成長領域へのシフト」を加速するグループの長期 ビジョンを描いている。「“移動”に感動を、未来に笑顔を届ける。」ため、社会課題へのソリューションを提供し、安全・安心、快 適な“移動”の実現を目指す。

環境 (Environment)

アイシンのESG経営における環境面の取り組みは、2050年にありたい姿を、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会、環境マネジメントシステム、とし、様々な方面からの取り組みが行われている。アイシングループの環境活動をグローバルに展開するために、「オールアイシン研究会」を設置し、省エネルギー研究会、環境保全研究会、EMS研究会、製品環境研究かいがあり、メンバーは12社を中心に構成され、関連会社とともに活動をしている。また、環境負担ゼロを目指し、資源の有効利用とリサイクルの活動も行われ、アイシンハンダ工場では、例えば洗浄パージ材の有効活用で工程内から発生する廃棄物を年間10tも削減することができる。そして、アイシングループでは、生物多様性の損失を止めるため、愛知ターゲットが設定されたことを踏まえ、地域在来由来の希少種の保護活動に力を入れた活動をしている。この活動の一環として、子供たちの教育に注視した「アイシンエコ学校」という環境意識啓発サイトを立ち上げ、彗星生物の調査や、環境学習プログラムなどのイベントも立ち上げている。

『有磯ふれあいパーク』

アイシン軽金属では、有磯工場の遊休地を利用した「有磯ふれあいパーク」の整備を2016年度より開始。パーク内には、ビオトープを設置し、地域の在来絶滅危惧種II類のキタノメダカを放流し、繁殖が確認された。2020年にはパークゴルフ場造成を以て完成した「有磯ふれあいパーク」は、地域貢献として近隣住民に公開し、緑あふれる原風景と生物多様性の保護が経験できる場所である。さらに日本国内拠点がある地域を中心に、全国5カ所で地域に根差した生物多様性の活動を行っている。北海道から熊本県に渡る日本各地で、希少種の植物や生き物を保護したり、外来種の除去作業なども行なったりして、地域と密着した環境保全活動が行われている。

[出典:アイシン HP 自然共生社会の構築 より]

社会 (Social)

アイシングループの社会面における取り組みは、従業員や顧客、地域社会などの全てのステークホルダーと協働して豊かで安全な社会の実現を目指している。

従業員においては、人材の育成とともに人権の尊重、安定した雇用と、安全で健康的な職場づくり、そして多様性の推進など多岐に渡る取り組みがされている。アイシンでは人権の尊重が、個性の尊重から事故の成長と働きがい、人生の幸せを感じる企業にすることを提供価値として掲げ、健全な労使関係を構築するために、「人権専門委員会」を設置し、相談窓口やステークホルダーとの対話を通じて人権の尊重を推進している。

また、サプライヤーなどのビジネスパートナーとは、長期安定取引を前提とした共存共栄、オープンでフェアな取引の遂行方針を掲げるとともに、「パートナーシップ構築宣言」を公表し信頼関係の構築に取り組んでいる。

地域社会とは、自然・環境保護、青少年育成、街づくりの三本柱を中心に、持続的可能な社会の実現を目指した社会貢献活動に取り組んでいる。

『品質至上のアイシングループウェイ』

アイシングループは、より安全・快適・便利なモビリティを創造し、お客様の期待を超える新しい価値を生み出し「お客様第一」を徹底している。この取り組みの一環として、「アイシン伝承館」という場があるが、これは、顧客から寄せられた生の声を学び、起きた現象から学ぶべき点に気づき、過去の不具合から得た教訓を財産として伝承することで品質意識と仕事の質を向上させる目的で設立された。2018年には「企業における品質の重要性を知る/感じる」をテーマに、「品質問題の怖さを知るトンネル」を設置し、また品質問題経験者の声や不具合現象の体感シミュレーターの新設、グループ各社の過去の不具合から得たノウハウの展示の更新も行なっている。なお、この施設は、一般には公開されていない。

[出典:アイシン HP お客様とともに より]

ガバナンス (Governance)

アイシングループのコーポレート・ガバナンスにおいては、全てのステークホルダーとの良好な関係構築と長期安定的な成長の実現に向けて構成で透明性の高い経営活動を展開することが重要であると考えられている。5つの「コーポレート・ガバナンス基本方針」と継続的な実効性の検証、充実性の見直しを基に持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指している。

『コーポレート・ガバナンス体制』

アイシンは監査役員制度を採用し、取締役会による経営監督の強化、執行役員制度による経営執行の効率化を図っている。2019年には独立社外取締役が3分の1以上を占める経営体制とし、的確、迅速、公正な意思決定の推進を図っている。取締役会をアイシングループの経営に関する重要事項の決議や業務執行の監督にあたり、年に15回行われている。監査役会は取締役の職務執行を監査するとともに、各部門の業務執行状況を聴取し、経営や業務執行が適正なものであるかどうかを検証している。

[出典:アイシン HP コーポレート・ガバナンス より]

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